差圧とは何ですか?
2つの圧力の差を差圧といいます。
『差圧(Δp)=圧力1(P1)-圧力2(P2)』
その他の圧力の種類を教えてください。
絶対圧(Pabs)
宇宙空間のような真空(ゼロ圧)を基準とした圧力を絶対圧といいます。絶対圧であることを明示する添字として『abs』を使用し、『Pabs』で記述します。
相対圧(ゲージ圧)(Pe)
相対圧(Pe)は、計測対象の絶対圧(Pabs)と大気圧(Pamb)との差です。
『相対圧(Pe)=絶対圧(Pabs)-大気圧(Pamb)』
大気圧よりも計測対象の絶対圧が大きいときは、その圧力を正圧と呼び、大気圧よりも計測対象の絶対圧が小さい時は、これを負圧と呼びます。
大気圧(Pamb)
大気圧は地球を取り巻く大気によって生じます。大気は約500kmの上空にまで達し、大気圧は高所ほど低くなります。また、天候の変動によっても影響されます。海面レベルでの平均大気圧は1013.25hPaです。この値は、低気圧または高気圧に覆われた場所では±5%変動します。
計測の原理
圧力計を設計する際には、ほぼ例外なく一定の面積に対する圧力の効果の法則を利用します。これを逆に応用して力の計測を行います。次の式を適用します。
『圧力(p) = 力(F) / 面積(a)』
・液圧計
・ピストン式圧力計
・弾性圧力計
・電気圧力センサと圧力計
ピエゾ抵抗式(圧電抵抗式)圧力センサです。テストーの差圧計は、ピエゾ抵抗式圧力センサを利用した、電気式圧力計です。ピエゾ抵抗式圧力センサは、シリコン等を材料とした薄膜に埋めこまれたピエゾ抵抗素子の抵抗変化を利用して圧力を計測するもので、圧力がかかると薄膜がたわみ、それによっておこるピエゾ抵抗素子の抵抗変化を電圧信号として取り出します。このような電気式圧力計は、コンパクトなだけでなく、センサの変形が少ないため長期安定性に優れ、フルスケールの±0.05%という高精度な計測も可能です。
弾性圧力計には、1~3mmの位置ずれがあります。電気圧力センサの変形は数μmに過ぎません。このように機械的変形が非常に小さいおかげで、電気圧力計/センサは動的パフォーマンスに優れ、材料応力が小さく、高い耐久性と長期的安定性を実現しています。また、電気圧力計は非常に小型化して製造することができます。この他、表示が読みやすい点も利点の1つになっています。
今日の技術水準を考えるとき、正確な圧力計測の重要性は高くなる一方です。電気式圧力計は、最高でフルスケールの±0.05%の計測が可能です。機械式圧力計の場合、視誤差とバネの機械的性能限界のため、これほど精密な値を得ることはできません。デジタル表示を備えた電気式圧力計は、しばしば0.001、1,000分の1レベルの分解能を有しています。
(+)側と(-)側をそれぞれ、高圧側と低圧側の環境に接続(または設置)してください。一方が大気圧環境下の場合はシリコンホースを接続する必要はなく、大気開放してください。接続方法が間違っていると、マイナス値が表示されます。マイナスの表示値は精度保証対象外となりますので、正しくホースを接続してください。
約10mまでを推奨しておりますが、長くなればなるほど摩擦やホースの屈折箇所が多くなることによる圧力減損発生する可能性があります。それにより、応答速度が遅延や、測定値への影響が考えられます。可能な限り短いホースでご使用いただくことを推奨します。
測定可能です。測定値は絶対値として表示されるため(例)-15hPaのようには表示されません。
(例)15hPaとして表示されます。マイナス符号がついている場合は、シリコンホースのつなぎ方が反対です。
室間差圧の測定はどのように実施すれば良いですか?
陽圧(正圧)管理している部屋と部屋の差圧の測定(testo 512-1で陰圧側から測定する場合)
testo 512-1の電源を投入します。
testo 512-1の(+)側のニップルにシリコンホースを接続します。
差圧センサゼロ調整を実施します。
シリコンホース先端を陽圧管理している部屋に設置します。
室間差圧の測定値が表示されます。
配管ダクトのフィルタ目詰まりの測定はどのように実施すればよいですか?
フィルタ前後での圧力差を測定し、フィルタの圧力減損を測定します。2本のシリコンホースを用意し、下流側の静圧測定口1と(+)側ニップルを接続し、上流側の静圧測定口2と(-)側ニップルを接続します。目詰まりが無い状態は差圧値小さくなり、目詰まりが発生している場合は測定値が大きくなります。フィルタメーカーの交換管理基準にしたがって、フィルタを交換してください。
差圧計を使ったダクト流速測定法を教えて下さい。
ピトー管各種との組み合わせると、『ベルヌーイの定理』の応用で流速を求めることができます。 差圧計の(+)側のニップルと全圧測定口(緑)、(-)側のニップルと静圧測定口(赤)をそれぞれ接続します。ピトー管をダクトの風速と下図緑の矢印(全圧)が同じ向きになるように配管に挿入します。